※ BLEACH連載 睡蓮主人公 両親が居ない事が当たり前だったから、それが当たり前じゃない事が解らなかった。 物心も付いて、自分を取り巻く環境が当たり前じゃない事に気付いたけど特に何も思わなかった ────────── といえば嘘になる。 けれどそれを口に出す勇気はなかった。 ───── どうして私にはお父さんもお母さんも居ないの? 自分を育ててくれる祖父母を困らせたくなかったから言えなかった。 そして、新たな真実を知る事になったのは祖父母共に亡くなった直後の高校受験での事。 戸籍を取った時に自分が祖父母の孫ではなく養女だと知った。 けれど何故だろう、それを知った時も特に悲しくはなかった。 ただ漠然と、そうだったのか…と思った程度だった。 もしかすると気付いていたのかもしれない ────────── 彼等と血の繋がりが無い事に。 それでも願わなかった訳じゃない。 両親が欲しい、兄弟が欲しい、血の繋がった確固たる存在が欲しい、と願った事もあった。 けれどどんなに望んでもどんなに願っても叶わない事が解っていたから願う事も諦めた。 幼い頃から姉のように兄のように慕う存在が孤独な私を救ってくれたのは確かだ。 あの人たちと私の間に血の繋がりがあったら…と何度も思った。 両親が居なくても、祖父母が居なくなっても、あの人たちが居てくれたから私は私でいられた。 でも、心の奥にある寂しさは決して無くなる事はなかった。 心の奥に仕舞い込んでカギを掛けて忘れたフリをしても、ふとした瞬間それは私の中に広がっていく。 そんな時に絶望するのだ ────────── 自分はこの世にたった一人きりなのだ、と。 自分と言う存在、自分である事を誰かに認めて欲しい、と無性に思った。 どんなに願っても叶わない。だから願うのを止めた。 私は何時?何故それを止めたんだろう今はもう思い出せないし思い出そうとも思わない。 「杏子姉ェ!次はコレ!」 「はいはい、夏梨はここでいいのね?」 「遊子のはあそこだって。」 「夏梨ちゃん勝手に持ってくなんて酷いよ〜!」 「いいの!一兄ぃは上の方早く!」 「うっせーなぁ解ってるよ。」 「あ、そういえばお父さんは?」 「知らねぇ。」 「「知らなーい。」」 アタシが杏子としてここで生きていく事になって初めての七夕。 アタシにとって、血の繋がった家族と一緒に過ごす初めての七夕は想像していたよりも騒がしくて、でもとても楽しいものだった。 「オイ杏子。」 「遊子〜、向こうからコップ持ってきてくれる〜?」 「はーい。」 「オイ杏子、これは何だ。」 「あとお皿も足りないから何枚か持ってきてね〜!」 「杏子!」 「あ、夏梨も手伝ってきてくれる?」 「仕方ないなぁ…。」 「俺を無視してんじゃねぇよ!」 「何よ、カルシウム不足?」 「違ぇよ何だコレ!って聞いてんだよ!!」 アタシに差し出されたのは私の小さな願いが書かれた短冊。 「これが何?」 「お前はいつもいつもいつもいつもいつもフザけてんのかっ!!」 「やぁね一護ったら照れなくてもおkよ?」 「フザけんなあぁぁぁぁぁぁぁっ!」 「ぬあっ!?破らないでよっ!」 「五月蝿ぇ!んなモンこうだっ!」 と、アタシの願いを粉々に引きちぎっていく一護ってばちょっと酷くない!? 「一護のお婿さんはやっぱり浦原さんがいいな☆ってドコが気に入らないのよ。」 もしかして相手が気に入らないのかも。 あ、でもまさか…いやいや一護に限ってそんな事ありえないしっていうか断固許さん! 「石田を嫁にしたいとか抜かしたらお姉ちゃん絶交するからね?」 「虚と結婚する方がマシだっ!!!」 「えっ!?一護アンタまさかのゲテモノ喰い!?」 「だあぁぁぁぁっ違ぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」 仕方ない、明日のオカズは焼き魚にしよう ────────── って白身じゃダメだっけ?んじゃメザシでいっか。 ────────────────────────────── いつになくちょっとシリアス風に、でも落ち着かないので最後は腐ネタで…。 時間軸が相当おかしいけどそこはスルーで。 → 戻 ←