※ 多重連載 主人公(薄桜鬼:変換無し)中の人入れ替わり事件の後に起きた惨劇。










小さくも慎ましやかな願い。
私はそれを皆と同じように同じ筆を使い同じ墨を使い同じ短冊に書いただけだった。
それが何でこうなった!?



「どうしてこうなったあぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「あら、どうして嘆くの?神様の粋な計らいではなくって?」

どこが!?

「それに…中々見ものではなくって?千鶴も同意してくれますよね。」
「ぃぇ…っその…私は…何というか…自信を喪失してしまいました。」
「暢気なのはアンタだけで十分よ!!」
「少しは落ち着いたらどうですか助三郎。」
「これが落ち着いていられようかっ!」
「どうしてです?見ものだと言ってるじゃないですか。本当に皆さんお美しい。」

ククク…と笑う助三郎モードの相棒の視線の先に居るのは誰の所為で一体こうなった!?な女体化した攻略キャラの皆様。

「私が想像するに…恐らくは貴方の所為でしょうね、助三郎。」
「は?何でわ…っ俺の所為なんだ!?」
「貴方、短冊に何を書いたのです?」
「短冊に…って…。」

私は私の小さな願いを書いただけでそれ以外危険な事を書いた覚えは無い。
”いつか本当(女)の姿であの人に逢いたい。”そう書いただけだ。
私は決して女体盛りを願った訳ではない、断じて。

「おや、オカシイですね。」
「っ何が!?」
「私の目がオカシイのでしょうか?どうです千鶴。」
「えーっと…いつか女の姿のあの人に逢いたい。と読めます…。」
「バカやろう嘘こいてんじゃねーYO!」

何を血迷えばそんな願い書くんだよ冷静に考えれば判るだろうちきしょう短冊見せてみやがれ!
と、格之進の手から千鶴ちゃんの手に渡った私が書いた紅い短冊を手にし

「NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!」

文字が雨に滲んで願いか変わっとる!

「っていうか普通考えれば判るだろ完全に文字が滲んで潰れてんじゃねーか勝手に読み違えしてんじゃねぇよ!!」
「一体誰に対しての怒りなんですか。」
「よりによって訳判んねぇ状態になってる願いを叶えてんじゃねぇぇぇぇぇぇっ!!!」

何か?この世界のカミサマってのはバカなのか!?
っていうか普通判るだろ普通の女体盛りならともかく”女の姿の”って願うなんてマトモな神経じゃねーし
そんなの選りすぐって叶えるとかマジ神経疑うわ…。

「しかし壮観ですね…。」
「アホかアンタは。」
「不慮の事故とは言い難い奇怪な現象に見舞われた時に真価が問われるというものですよ。」
「はぁ?何が?」
「土方さんはプライドだけで己を保っているようですよ?」

うんまぁ?土方さんの場合不慮の事故が残念ながら2度目だし?多少は落ち着いてるでしょ。

「それに引き換え、沖田を見て御覧なさい眼が泳ぎまくってるじゃないの。」
「いやいやあれが普通でしょ!?」

冷静を装いつつも挙動不審な沖田氏の反応は当然だと思われる。
土方さんが正常を保ってるのは鬼と呼ばれる程の図太い神経の賜物であって、他は妥当な反応だと思う。
一ちゃんは呆然としてるし ────────── ってまぁごく一部土方さんとは違う意味で正常な反応してるっぽいけど。

「若干小ぶりだよな、俺の胸。」
「新八っつあんには丁度いいんじゃねーの?」
「お前の乳はでかすぎじゃねーか?」
「確かに平助には勿体無ぇな…。」
「えー、でも左之さんのも結構大きくねぇ?」

約三名、互いの乳談義をおっぱじめてるのは男の性からしてみれば当たり前なんだろうか?
確かに新八っつあんの言う事はあってるかもしれないし。

「巨乳の平ちゃんとかある意味凶器。まさかのロリ巨乳?」
「確かにアレは…危険ね。」
「私自信が無くなって来ました…。」

千鶴ちゃんが自分の胸の辺りを手で覆いながらそう呟く位、平ちゃんのチチは凄かったパネェ!

「けれど、今は女性の身なのだからアレは考え物よ。少し注意した方がよさそうね。」
「注意…ってちょっと何する気!?」
「まぁ見てて頂戴。」

千鶴ちゃんを慰めつつ、さり気なくその肩を抱いて女体隊士の下へ向う格之進の後ろ姿にもう慣れっこになってしまった悪寒がする。
私は無関係だ私がこんな結果を願った訳じゃない私は知らん!と放置したのがマズかったんだろうか?
絶妙な距離を保ち、私には決して聞えない会話を始めた一応中身が全員女な謎集団。
何を話してるのか気になって仕方ないけど関わらない方が絶対いいに決まってる。
アイツが関わって事態が好転するなんて事、天と地がひっくり返っても起こりはしないのだから。

だから私は距離を保ちつつ、生温かく見守っていた ────────── だけだったのに!

「………。」
「どうかしたんですか?」

いきなり私の元へ歩いてきた沖田氏が物言いたげに私を見つめている。

「沖田さん…?」
「っどうしてもっていうなら…。」

どうしても…って何!?

「仕方なくなんだからね、助三郎がどうしてもって言うなら一緒に見回りに行ってあげるよ。」

一 体 何 が 起 き た !?
っつーか全く意味ワカリマセン沖田さん。

「抜け駆けかよ!」
「新八っつあん負けるな!」
「っ俺か!?ってか左之お前が行け!」
「っ俺!?」

と、次に私の元にやって来たのはまさかの左之さんで。
物言いたげに私の前でもじもじしてる何だこの可愛い生き物は。

「あの…原田さん?」
「っ悪ぃ…っその…な?」
「……っはい。」
「お前が…いいなら…でいいんだけどよ…っその…。」

よーしバッチこい!

「………やっぱいい。」
「………え?」
「お前に悪ぃしよ、自分らでどうにかするさ。」

生殺しですね判ります。

「俺は…っその…皆さんの役に立てるなら構いません。」

何するか?何させられんのか?は知らないけど私頑張るから!

「…………あんがとな。」

フッ、と微笑んで左之さんは行ってしまった ────────── カムバック左之さん!

「一体何が…!?」

オーノー!と頭を抱え、再び人の気配を感じて顔を上げてみれば

「どう?中々良い感じだったでしょう。」

得意満面の笑み(薄ら笑いともいう)を浮かべた格之進が居た。

「何がっ!」

一体何を話してあの変な事態が起きたの!?

「どうだった?」
「だからアンタは一体何をしたの!」
「何もしてないわよ?ただ彼等を取り巻く人々の女性を見る視線を観察するように言い包めただけよ。」

言い包めたのかよ。

「その結果、助三郎は女性に優しい紳士認定されたようよ?」
「何その認定。意味判んない認定試験作ってんじゃないわよ!」
「ちなみに私は超一級危険人物認定だったわ。」

や、それは認定試験以前の問題であってアンタ元々から危険思考だから。
相棒曰く、普段男性が女性をどういう視線で見ているか?を実践で判らせたらしい危ないヤツ…。
で、傍観に徹した私の無関係を装った他人行儀の視線を何でか勘違いした皆様に感動されたらしい大丈夫か皆…。

「どうだった?愛しい彼の貴方を見る優しい視線は。」

巨乳だった事しか覚えてませんが何か?

「あんな目に合ってる時の優しい対応は結構グッとくる筈よ。」

すげー谷間だったなーってグッときたわ。

「良かったわね、これで晴れて両おも…。」
「全く全然そんな事ないと思うけど。」

しかしすんごい色気だったな左之さん…。

「………まぁいいわ。これで元に戻った時に多少変化があるんじゃなくて?」
「だといいけどね。」

さようならロリ巨乳平ちゃん…!



と、いう訳ですったもんだの挙句(ってのは特になく)夕方には皆元に戻ってたちょっと残念




















「っていう意味判らんけどちょびっとドリーム的な悪夢を見たわ。」
「…………………ああそう。」

夕方、自室で目覚めた私は全てが壮大にも程があんだろ!な夢オチだと悟った。
多少残念だとは思うものの、女の姿で逢いたい筈が女の姿の愛しい人とのあれこれなんて現実だったら悲しすぎるにも程がある。
だからいい、夢オチ上等!と胸を撫で下ろした私は気付かなかった。

「あれを夢で片付けられるなんて貴方ってホント…。」

ふぅ、と溜め息をついた相棒がそう呟いた事も、皆の視線が僅かながらも変化した事も。










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迷惑千万なカミサマ(?)の悪戯による”新選組崩壊事件再び”は
夢オチと勘違いした事によって”再び新選組崩壊が危うくするところだった事件(未遂/無かった事)”になる。
※秋に入り10月も半ばに突入しようとする時期にまさかの七夕ネタですスイマセン。
(丁度その時期に思いついたネタでしたので)









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