「なぁなぁこれから何処行くんだ?」 「知りたい?」 「や、知りたいとか知りたくないとかもうそういう次元じゃねぇけど…。」 もう何処に連れて行かれようがどうでもいいし? 自分で言うのも何だけど自暴自棄っていうか考えるのも面倒だし。 「取り合えず、着いてからのお楽しみ…や。」 「そうか…。」 お楽しみの意味が18禁止じゃないなら問題ない。 俺自身が楽しめるかどうか?もこの際どうでもいい ────────── ただ。 元に戻るまでの間を心穏やかに過ごせさえすりゃ何処でもいいわー俺。 それが例え敵の本拠地だろうが何だろうが、ホントどうでもいいわ俺………。 29.そこでそうなるのは想定外。 「到着や。」 「到着…って目的地は此処!?」 「そうや。君、一体何処に連れて行かれると思てたん?」 何処に…ってそりゃお迎えが市丸ギンなら当然行き先はうぇこむんどだと思ってたけど? 逆光眼鏡が両腕広げてお迎えに出てくるとばっかり思ってたけど? 「安心し。ボクは基本的により面白くなる方を選ぶタチやから。」 「……………どこが!?」 「せやから、真っ直ぐ藍染サンのトコ連れて行っても面白くないやろ?」 「誰が?」 「ボクが。」 「あっそう…。」 けどだからって何で俺んちなんだ…? 「俺をここに連れてきて面白くなんのか?」 「本気にしたんアレ?冗談に決まってるやないか。」 「嘘だったのか!?」 「嘘に決まってるやろ。」 「何の為の嘘だよそれ!」 「君の反応が薄いからつい?」 全然意味判んねぇ。 「せやねぇ…詳しい事は中に入ってからにしよか。何処で誰が聞いてるか判らんし。」 何処で誰が…ってこの状況でそれが出来るのは一人しかいねぇだろお前の上司だけだろ。 「只今戻りました〜。」 「おう!ご苦労だったな。」 「おっ、親父っ!?」 「一護無事かっ!」 「何で親父が市丸ギンと…。」 「そんな余所余所しい呼び方せんと”ギン”て呼んでくれてええよ。」 「じゃあ…親父!何でギンと親父が!?」 「知りたいか?一護。」 「どうしても知りたい?」 「どうしても!って訳じゃねぇけど気になるだろ普通!」 そうか、なら今から話す事は決して誰にも話さずお前の胸の中にだけ留めておけ…と念押され、 俺は親父の口から衝撃の事実を聞かされる。 尸魂界を裏切り、世界を滅ぼさんと藍染と共に尸魂界を去った市丸ギン。 「嘘………だろ!?」 「冗談や、て言えたら良かったんやろけど…受け入れにくいかもしれんけどそれが事実や。」 「親父!ホントなのか…?」 「……………ああ。」 その市丸ギンが実は産まれて直ぐに亡くなった俺の実の兄だったなんて…! 「じゃあ藍染に着いて行ったのは…。」 「二重スパイみたいなもんや。大切なモンの為やったら汚名くらい何てことあらへんし。」 「っそんな…今更そんな事っ!それにっ!俺に死んだ兄貴が居たなんて一度も言った事ねぇじゃねぇか!」 「言える訳ねぇだろ!」 「何で言えねぇんだよ!」 「冗談やから?」 「………………えっ?」 「まだまだ甘っちょろいな一護っ!そんなだからお前はそういう不甲斐無い目に合うんだっ!!!」 「ってめぇ!」 「ホンマ、信じやすい子やねぇ。」 っていうか手の込んだ嘘つきやがって何考えてんだコイツら。 「親父、いい加減ふざけてるとマジで親子の縁切るぞ……。」 「なっ!?親の可愛い冗談にマジ切れして縁を切るだと…!?」 「ほなボクが説明しよか?」 「嘘も冗談もナシなら誰でもいいからさっさと説明しろよ!!」 と、完全にキレる寸前になって漸く事実?を知る事ができ ────────── るって俺って不憫すぎやしねぇか? 「せやな…これには深い訳があってなぁ…。」 「深かろうが浅かろうがどうでもいいから事実だけ言えよっ!」 「ウチの上司がなぁ、幼い子に目がないんや。」 お前んトコの上司の性癖なんてどうでもいいよっ! 「君が幼くなった姿を偶然見かけたらしくてなぁ…一目惚れしたらしいんや。」 だからお前んトコの上司の性癖はどうでもいいって言ってんだろ! 「で、どぉーーーーっしても君をお嫁さんにしたい言うて聴かへんのや。」 「それと今がどう繋がってんだよ!」 「あんまりうっとぉしいから一回出し抜いたろと思てな。」 「それでっ!」 「どいつもこいつも役立たずばっかりやったから君のお父さんに相談したんや。」 「大体一護っ!おかしな事になって何で真っ直ぐ家に帰ってこないんだっ!」 「せやなぁ…いくら混乱してた言うたかて普通家に帰るのが一番やで?」 「帰るもクソもねぇだろ!んな事考える前に拉致られちまったんだよっ!」 「大体君の斬魄刀…斬月やったか?彼が一番胡散臭いんや。」 「胡散臭いって…人の斬魄刀だと思って言いすぎだろ!」 「事実やろ?ここぞとばかりに君を利用してベガスで豪遊て普通出来へんよ?」 ………確かに。 「っけど斬月は俺の為にっ…。」 「数時間我慢したら元の姿に戻れた筈やのに尸魂界に行った事が裏目に出てこの始末や。」 っけどまだ半日も経ってねぇし。 「んじゃどうしろって!俺に何が出来んだよどうしろっていうんだよっ!」 「全部斬月の責任やないか?なら斬月に責任取らせたら済むだけの話や。」 どうしろと!? 「ほな行こか。」 「何処に!?」 「ラスベガス。」 「意味判んねぇよっ!!!!」 「行けば判る筈や。」 「この期に及んでラスベガスまで行ってられっか!!!!!!!!」 「そうか?そら残念や…。」 どこが残念なんだ!?今すぐ辞書で残念の意味調べてきやがれっ! 「ほなどないしよか…取り合えず寝る子は育つ言うから寝る?」 「寝て育ってたらとっくに元に戻ってるよっ!!!昼寝したんだよ昼寝っ!」 「ほな、取り合えずお茶でも飲もか。」 「それがいい!よし一護、お父さんが今美味いお茶を入れてやるから待ってろ!」 これ以上何をどう待てと…? → 戻 ←